国と文化の豊かさの味

アメリカ人に人気の食事メニューと言えば何でしょうか。日本でもおなじみのカロリーが高いファストフード、ピザやハンバーガーはそもそもアメリカから持ち込まれたものです。肥満大国などと不名誉なレッテルを張られてしまう事もしばしばあるアメリカですが、その原因を作っているのは考えるまでもなくそれらを中心とした食文化です。

野生で暮らす動物たちの中で、病気やケガ、飢えで過剰にやせ細っている個体はいても過剰に肥え太っている個体はほとんどいません。例えば野生の肉食動物は餓えれば狩りに出ます。獲物を捕らえて食べなければ死に直結する事になりますが、しかし「食べ溜める」ような真似は決してしないでしょう。自然界を文字で表すと「弱肉強食」「食物連鎖」などが挙げられますが、野生に住まう生き物たちはあくまで自分が生きるためだけに他の生き物を食べるのです。空腹でもない時にも獲物を仕留めて食べ続けていれば、他の生き物の生態系やバランスを壊してしまいかねないでしょう。彼らは本能的に自らの暮らす世界の仕組みを理解しているのかもしれません。そのような野生の生き物に対し、人間や人間に飼われているペットたちは時々その輪から外れる事があります。先進国で比較的豊かな国のペットは、人間同様肥満の傾向が見られます。社会問題にまで発展してしまう深刻な肥満ですが、その原因は一体どこにあるのでしょうか。

貧しい国の人々や動物は、太りたくても太ることなどできません。食の豊かさは国がいかに潤っているかを表すバロメーターにもなっています。社会問題等の観点を抜きに考えるとするのであれば、いつでも好きなだけ食べられる、手を伸ばせばすぐに食べ物があるという状況は豊かな国にいるからこその幸福であり、不幸とも言えるでしょう。アメリカ人にお馴染みのファストフードは、安価に高カロリーな物を摂取するには最適の場所です。甘いものが好きな人であれば、毎日のようにカフェに立ち寄りパンケーキを何枚も食べることもあるでしょう。大柄な人が多いアメリカでは、料理やスイーツのボリュームも日本に比べて非常に大きいものです。アイスクリームを盛大にカップごと食べたり、タンクのような大きな容器からジュースを飲んだりしている光景は珍しくありません。高く積み重ねたパンケーキに大量のメープルシロップをかけ、その上にチョコクリームやアイスクリームをのせれば、誰でも喜んで食べたがるでしょう。量も味も自在にアレンジできるパンケーキが定番メニューの国で、太るなと言う方がある意味無理なことかもしれません。しかし、食の豊かさや食べる喜びを無節操に飲み込んでいるだけでは、将来自分達自身を追い詰める結果になりかねません。美味しいものを味わう時には、適切な量をしっかりと味わって食べるべきなのです。